私たちが普段なんとなく意味を把握して使っている、いろいろな記号。その、そもそもの由来を備忘録的にまとめていきます。今回の記号は「アスタリスク」です。
アスタリスクの形と名前の由来
星のような形が名前の由来
asterisk(アスタリスク、アステリスク)は、主に欧文で脚注を表すときに使われる記号です。プログラムのソースコードでは乗算(掛け算)の記号としても使われます。
その語源は「小さな星」を意味するaster(アステル)という、古代ギリシャ語由来のラテン語。つまり星の輝きの形に似た放射状の形が、名前の由来ということのようです。
なお、日本語でのカタカナ読みは2種類あり、「アスタリスク」が英語風、「アステリスク」がラテン語風。国語辞書ではラテン語風で記載されていることが多いようです。
いろいろな形状
一般的には縦線に×を重ねたような6本足の形が多いようですが、フォントによっていろいろと形が変わります。五芒星のような5本足のものや、さらに足の数が多い8本足のもの、中心部分のつながっていたり隙間が空いていたりと、意外と形のバリエーションが多くあります。
アスタリスクと似ている記号
スターマーク
押しボタン式の電話で、左下のボタンに表示されているこのマーク。じつはアスタリスクとは別物です。「スターマーク」と呼ばれており、×(クロス、掛ける)に-(ダッシュ)を重ねた記号。Unicode(文字記号の業界規格)では「セクスタイル」という名称で、アスタリスクとは別で定められています。ただ、先述のようにアスタリスクの形自体フォントによってまちまちで、スターマークのようなアスタリスクもあったり、誤解されがちのよう。「星」を名前の由来とするところも、ほぼ同じですし。
ざっと確認した限り、デジタルフォントにおいてこの字形を収録しているものは見当たりませんでした。なので、私たちが普段使いすることは稀な記号かもしれません。ちなみに現在、iOSの電話キーパッドでは、スターマークの部分にアスタリスクが使われています。
米印(こめじるし)
日本語で注釈を表すときに使用される記号。漢字の「米」を45度傾けたような形です。そのため、米印(こめじるし)と呼ばれていると思われますが、正確にところは不明です。アスタリスクやスターマークが慣用的に「こめじるし」と呼ばれることもありますが、本来この形だけが正しい米印。アスタリスクと違って、フォントによって大幅に形状が異なることはない模様です。
星が名前や形の由来とは、アスタリスクからはなんとなく西洋的なオシャレ風情が漂います。一方で、日本の注釈記号は「米印」。なんとも朴訥とした印象です。注釈記号ひとつとっても、洋の東西で文化の違いを感じさせるものがあります。
以上、アスタリスクの由来と、似た形状の記号についてでした。